書評 肺炎を正しく恐れる 

 誤嚥性肺炎のリスクは40代から始まっている⁉

 
肺炎を正しく恐れる 
著者 大谷義夫(池袋大谷クリニック院長 呼吸器内科医)
 

1 日本人の死因ランキング

日本人の死因のランキングを知っていますか?
がんや心疾患が上位に来ることは知っていましたが、なんと、肺炎で亡くなる方が、1位がん、2位心疾患に次いで3位に入ると言うのには驚きました。
正確に言うと、厚生労働省の2018年人口動態統計によると、第5位の肺炎と第7位の誤嚥性肺炎を合計すると、年間13万3千121人の人が亡くなっていて、第3位になるそうなのです。
これは、医師が書く「死亡診断書」に書かれる死因を集計したものなので、がんで免疫が低下してしまい、最後に肺炎になってしまった方も、死因は「がん」と書かれる場合もあり、本来はもっと多くの方が肺炎で亡くなっている可能性があるそうです。
13万人って、ちょっとした市の人口に匹敵する人数ですよね。
 

2 肺炎の原因は自分の内にあった~誤嚥性肺炎の恐怖~

新型コロナウイルス感染症が悪化すると、重篤な肺炎になることが盛んに報道されています。
私の実家の父が肺がんを患っていることもあり、新型コロナを持ち込まないよう、密になるところは避け、マスクや消毒をしながら々日常を送っているのですが、肺炎というのは外から持ち込まれる細菌やウィルスだけでなく、唾液の誤えんによっても引き起こされるそうなのです!
そう、それが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)。嚥下機能が弱って、食べ物や病原体を含んだ唾液が食道ではなく気管に入ってしまい、気管で病原体が増殖して肺炎を起こしてしまうのです。
 
40歳を過ぎると、嚥下機能が弱り始めて、誤嚥性肺炎になるリスクが高くなるそうで、私も53歳になった今、肺炎のリスクを少しでも減らすような運動や口腔ケアをしなければならないと改めて感じました。
 
また、肺炎のリスクを下げるためには、「肺炎球菌のワクチン」の接種も有効だそうです。持病などの問題もあるので、かかりつけのお医者さんと相談してみるといいですね。
 

3 幸せポイント

タイトルにある通り、肺炎は恐ろしいものです。
でも、肺炎にならないような生活を心がけていれば、ある程度は予防ができるので、まさに正しく恐れながら生活していきましょう。
 
著書に詳しい予防方法が記載されています。

 

肺炎を正しく恐れる (日経プレミアシリーズ)

肺炎を正しく恐れる (日経プレミアシリーズ)

  • 作者:大谷 義夫
  • 発売日: 2020/09/09
  • メディア: 新書