人気店の店員とスマートな刺青外国人

 

連休だということを忘れ、東京駅にある人気店に予約もせずにふらっと行ってみた。

お酒を出す飲食店にも関わらず、昼過ぎにはもう満席で、店員もなんだか上から目線。「お待たせしてすいません」というより、「うちは人気店なんだから当然」という雰囲気が漂っている。
きっと日頃から断り慣れているんだろう。「予約しないで来るなんて」ぐらいに思っているのかも知れない。

帰路に中央線に乗る。
お茶の水で止まると、着飾ってすましたご婦人が、「すいません」も言わずに立ち上がり、つり革に捕まっている人の横をツンとすり抜ける。

人は自分の置かれている環境で、何者になった気がしてしまう。それは自分の中身とは関係ない。
他人事ではない、自分の言動にも十分注意しないといけない。

新宿で乗り換えて京王線に乗る。
発車ベルが鳴っていたので駆け込んだが、こちらも満席だ。
今日はついてない。

っと、両腕両足に刺青の外国人の中年男性が、間髪入れずに席を譲ってくれた。年齢的にはそんなに変わらなかったと思うけれど。
そのスマートな譲り方と、見た目とのギャップの大きさにびっくりした。

人の中身と見かけは本当に関係ないのだな、とつくづく思った。

ただ、他人の言動にいちいち反応し、気分がその都度ジェットコースター並みに変動する私自身の心の中が一番たちが悪いのかも知れない。